当オフィスの施術
当オフィスでは、身体全体の最適化のカギとなる神経系を調えるために第一頚椎の調整を採用しています。
第一頚椎は首の最上部に位置し、脳と全身の細胞とをつなげているほぼ全ての神経の通り道となっているため、体内における神経系のコミュニケーションに非常に大きな影響をもっています。
第一頚椎の特徴
第一頚椎は、24個の椎骨(椎骨は一つ一つの背骨のことです)が連なっている脊椎の中でも際立ってユニークです。
それはたった二つの接点(関節)で頭蓋骨を支えつつ、頭の動きを可能にするという役割に特化しており、脊椎の他の椎骨とは構造も機能も大きく異なるからです。

- 第一頚椎は、平べったいドーナツのような形をしています。
- 第一頚椎の重さは60g程度と椎骨の中でも特に小さいにもかかわらず約80倍(4~5kg)もある頭を直に支えています。
- 上下の椎骨をしっかり繋いで安定させるための椎間板が、第一頚椎にだけありません。安定性を多少犠牲にしているのは、その大きな可動性のためでもあります。例えば、あなたが後ろを振り返る際には首全体で約90度動きますが、その半分の約45度は第一頚椎によるものです。
第一頚椎が大切な理由
第一頚椎は、重さが4~5kgもある頭蓋骨を支えるには、あまりに小さく軽い上に構造的に不安定なため、ちょっとした衝撃などにも影響を受けやすく脊椎の中でも特に不整列(ズレ)を起こしやすい箇所です。
第一頚椎がズレると頭蓋骨が傾くため、身体の重心に変化が生じて全身の骨格のバランスが崩れます。
さらに神経系のコミュニケーションにも影響を及ぼし、身体の様々な働きの”質”を低下させるため、全身の細胞が調和した最高の状態を維持することが難しくなります。
このように身体の構造面と機能面の両方が正常な状態から逸脱します。
第一頚椎は、非常に繊細な箇所に位置しており、また脊椎において重要な役割を担っているので安全に調整する準備としてレントゲン分析が欠かせません。
また、言うまでもなく人間の身体は一人ひとりに特徴があり、誰一人として同じ骨格の人はいません。レントゲン画像を確認することで安全で正確な調整が可能となります。
例えば、先天的な異常である環椎後弓欠損や先天性頸椎癒合症、環軸椎不安定症などは比較的稀ではあるものの、第一頚椎の調整を安全に行うために事前に把握する必要があります。
また、骨や関節の形は指紋と同様に千差万別で各個人で特徴が異なります。骨や関節の形が各個人で異なるため不整列の状態も一人ひとり全く違います。そのため、最適な調整方法も一人ひとり全く違うものになります。

首、その中でも第一頚椎は人体において非常に重要かつデリケートな箇所です。レントゲンの画像無しで触診だけに頼った施術を受けるのは恐くありませんか?
人間の身体は左右非対称
もう一つ、レントゲン撮影が大切だと言える理由があります。人間の身体は左右対称ではありません。
例えば、人間の顔は通常左側と右側は同じではありませんね。目の位置や大きさ、口の歪み、髪の流れなどが微妙に異なります。骨の形も同様です。第一頚椎の左側の関節と右側の関節は形や厚みなど全く異なるケースも少なくありません。

私が卒業まで残すところ約半年という頃に、こんなことがありました。一人の下級生が具合がとても悪いと運び込まれてきました。話を聞くと一時間ほど前に上級生による首の調整を受けたとのことでした。
偶然、調整をした上級生がすぐに見つかったので指導教官が詳しく話を聞くと、頚部のレントゲン写真が見当たらず、触診のみで第一頚椎が右側にズレていると判断して調整を行ったということが分かりました。直ぐに再度頚椎のレントゲン撮影を行いました。
レントゲン写真を見ると第一頚椎の右側の横突起部分が左側のそれよりも3倍近くも大きいことがわかりました。それを確認せずに右側にズレていると画像分析なしで判断した上級生が調整した結果、具合が悪くなってしまったことが推測されました。
たまたまその日にレントゲン撮影室で仕事(アルバイト)をしていた私にはこの時の経験が深く心に刻まれました。
このように安全で正確な調整を行うためには画像分析が必須です。当然費用と手間を要しますが、一人ひとりに合わせたケアを提供するためにご協力をお願いします。
結果として調整を最小限にとどめることができますし、長期間にわたって安定した状態を保つことが可能になります。