ホメオスタシスは、外部環境がどんなに変わっても、身体の中の状態を常に一定に保つために身体が行う大切な仕組みです。私たちが健康に生きるためには、このホメオスタシスがしっかりと働くことが不可欠です。

具体的には、体温や血圧、血糖値など、生命維持に必要な要素がホメオスタシスの働きによってバランスを維持されています。

ホメオスタシスとは何か?

ホメオスタシスとは、「恒常性」とも呼ばれ、外部の気温が暑くなったり寒くなったり、食事をしたり運動をしたりしても、身体の内部が大きく変わらないように自動的に調整される仕組みです。

この調整がうまくいくことで、身体は常に最適な状態を保てます。例えば、暑い夏でも体温が急に上がりすぎないように汗をかいたり、寒い冬でも体温が下がりすぎないように身体が震えて熱を作り出したりします。

私たちの身体は、自分で意識していなくても血圧や血糖値、体内の水分や塩分のバランスなどを、常に適切な範囲内で維持しようとしています。

もしこれがうまくいかないと、身体は不調になりやすく、病気になることもあります。ホメオスタシスが正しく働くことで、健康を保つことができるのです。

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身体の仕組みを支えるホメオスタシス

ホメオスタシスは、いくつかの重要な身体の機能を常に一定に保つために働きます。それを可能としているのが神経系の働きです。神経系は、身体の内外の変化を感じ取り、その変化に対応するために身体の状態を適応させています。たとえば、次のようなことを調整します。

血圧の調整: 血圧もホメオスタシスによって調整されています。急に立ち上がったときに血圧が下がると、交感神経が活性化して心拍数が上がり、血圧を元に戻します。

反対に、血圧が上がりすぎると心拍数を減らして血圧を下げるように身体が働きます。これによって血圧が安定し、体の様々な臓器に十分な血液が供給されます。

体温調節: 人間の体温は、通常36℃〜37℃の範囲に保たれています。気温が高くなって身体が暑くなっても、皮膚の直ぐ下に張り巡らされた毛細血管を拡張したり汗をかくことで熱を逃がし、体温を下げます。

一方、寒くなると身体は震えて熱を作り出したり毛細血管を収縮させて、体温が下がりすぎないようにします。このように、身体は自分で体温を調整して、暑さや寒さに対処しています。

血糖値の調整: 食事をすると血糖値(血液中の糖の量)が上がりますが、身体はインスリンというホルモンを使って血糖値を下げ、エネルギーとして使います。

逆に空腹時には、グルカゴンというホルモンが血糖値を上げるように働きます。これにより、血糖値が高すぎたり低すぎたりすることがなく、安定したエネルギー供給が保たれます。

ホメオスタシスの仕組み – ネガティブフィードバック

ホメオスタシスが働く仕組みの一つとして、「ネガティブフィードバック」と呼ばれるメカニズムがあります。これは、身体に何か変化が起きたとき、その変化を打ち消して元の状態に戻そうとする反応のことです。

例えば、体温が上がりすぎると汗をかいて冷やし、逆に体温が下がりすぎると震えて体温を上げるというように、変化に対して逆の反応を引き起こす仕組みです。これが、身体が常にバランスを保つための大切なプロセスです。

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ホメオスタシスが乱れるとどうなるか?

ホメオスタシスがうまく機能しないと、身体のバランスが崩れ、さまざまな健康問題が生じることがあります。たとえば、過度なストレスや不規則な生活、病気などが原因でホメオスタシスが崩れることがあります。

  • ストレス: 長期間にわたるストレスは、ホメオスタシスを乱す大きな要因です。ストレスがかかると、交感神経が過剰に働き、身体は常に緊張状態になり、血圧が高くなったり、消化機能が低下したりします。これが続くと、身体のバランスが崩れてしまい、さまざまな不調を引き起こすことがあります。
  • 不規則な生活: 睡眠不足や不規則な食事も、ホメオスタシスを乱します。特に、睡眠は身体を修復し、バランスを整えるために重要です。十分な睡眠を取らないと、体温やホルモンのバランスが崩れ、免疫力が低下することがあります。
  • 病気: 糖尿病や自律神経失調症などの病気は、ホメオスタシスがうまく働かないことで引き起こされることがあります。例えば、糖尿病ではインスリンの分泌がうまくいかず、血糖値の調整が難しくなります。これが原因で、血糖値が高い状態が続き、身体に悪影響を及ぼします。

健康を保つために

ホメオスタシスを保つためには、規則正しい生活習慣が重要です。具体的には、次のようなことが効果的です。

  • 適度な運動: 運動は血流を良くし、ホメオスタシスを維持するために必要なエネルギー代謝を促進します。特に有酸素運動は、体内のエネルギーバランスを整える効果があります。
  • バランスの取れた食事: 栄養バランスの良い食事を取ることで、ホメオスタシスを支える身体の機能が十分に働くようになります。特に、タンパク質やビタミン、ミネラルを適切に摂取することが大切です。
  • 十分な睡眠: 身体が修復され、ホメオスタシスが正常に働くためには、毎晩十分な睡眠を取ることが欠かせません。成長ホルモンや免疫機能が正しく働くためには、質の高い睡眠が必要です。

ストレスに対応することや食べたものを正しく消化すること、身体を正しく動かすこと、脳や身体を休ませるための睡眠には、神経系の適切な働きが欠かせません。ホメオスタシスも同様に神経系の適切な働きが欠かせません。

その意味において当オフィスで行っている定期的な神経系のチェックがとても大切だということがご理解いただけるのではないかと思います。